CDWはなぜ宿泊で実施するのか? その3

3回目になりました、キャリア開発ワークショップ・CDWが宿泊、2泊3日である理由。
今回が一応最後です。

3つめの理由。
それは、ツァイガルニック効果(Zeigarnik effect)。
この舌をかんでしまいそうな効果。
Future Sarchでお聞きになった方も多いのではないかと思います。
Wikiを頼るなら、「人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象」です。

キャリアを考えるというのは、そう簡単に答えの出るものではありません。考える範囲は広いですし、時間の面でもかなり先にことまで考えることになります。2泊3日のプロセスの中で、いろいろな分析に取り組みますが、その一つ一つがけっこう重い話だったりするので、ずっと宙ぶらりんなままな感じなのです。
その感じで眠る。まさにツァイガルニック効果が現れるに適した状況なのです。

さて、そこで2泊3日である理由が出てくるわけです。
まず眠るとき。これが自宅だったりすると、家に帰るまでの間に、モヤモヤとしたものがなくなってしまうのですよ。忘れるというのもあるでしょうし、「ま、そんなこと考えてもしょうがないか」と考えるのをあきらめてしまうこともあるでしょう。
そもそも宙ぶらりんにしておくのは心地よくないので、とっとと今までの思考パターンに当てはめてしまうということにもなりかねません。

そして起きるとき。かろうじて眠っている間にうつらうつらと考えて、「あぁ、こういうことかもしれない」と思って目覚めたとしても、そこに余りにリアルな現実世界があったらどうでしょうか?
「あ、子供のお弁当をつくらなくちゃ」とか「今日は洗濯できるかな? 天気はどうだろう」とか、そういうことを考えているうちに忘れてしまいそうです。せっかく思いついたのに。

特に女性の皆様はおうちのことがあるので宿泊参加はできないと仰います。
むしろ、そういう方にこそ参加してほしいのに。
(というわけで、今回、うまく開催できたら、来年辺りは託児つき1泊2日を指向的にやってみたいと思ってはいるのです。でも、ハードル高いですから、まずは通常版を軌道に乗せるところから)

北宋の詩人、欧陽脩は「帰田録」の中で、文章を作るなら三上、つまり馬上・枕上・厠上といったそうです。枕上とはまさに寝床に入っているとき。
他のところで説明したいと思っていますが、自分のキャリアを考えるとは、自分の仕事人生の物語り、ナラティブをつくるということでもあります。まさに物語、文章を作るのですから、眠リに付く、眠る、起きる、というところも大切にしたいのですよ。

ところで、余談ですが、じつはFuture Sarchとキャリア開発ワークショップ・CDWには共通するところが多いと思っています。2泊3日であるところだけではなく、
流れが、過去から現在へ、現在から将来へとなっていること
自分だけでなく、関係者のことも考慮に入れていること
対話の中で自分にとって実現したい将来を明確にしようとしているところ・・・・・・
ちょっと強引すぎるでしょうか?

ファシリテーターが、何らかの正解を示すのではなく、グループプロセスの中で参加者が自律的に将来像を描くような構成になっているというところは、本当によく似ているな、と思うのですよ
もちろん、CDWくらいは個人のこと、Futre Searchはコミュニティのことと、その規模感は違うのですけれどもね

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