CDWはなぜ宿泊で実施するのか? その2

キャリア開発ワークショップ・CDW。
働き方改革という話もあり、泊まり込みの研修がはやらないというか、就業時間内に終われませんか? という話も多い中で、なぜ宿泊、なぜ2泊3日なのでしょうか?

2つめの理由です
それは夕食後の過ごし方にあります。

夕食後は分析作業などは予定されていません。
あるのは自由参加のキャリアカウンセリングと情報交換会、そして自己学習です。
自己学習の時間は、1人になってそこまでのプロセスを振り返ってみる時間です。
キャリアカウンセリングはカウンセラーと2人でいろいろと考えてみる時間です。
そして情報交換会は、他の参加者とさまざまな話をする時間です。

キャリア開発ワークショップ・CDWは、かつて厚生労働省のキャリアコンサルタント5万人育成計画の中で実施された「キャリアコンサルティング養成講座」(日本語としてちょっと変なんですけど、それはまぁご愛敬ということで)の一環として各地の職業訓練施設などで4日間の日程で採り上げられました。その時の科目は「グループカウンセリング」でした。
そう、キャリア開発ワークショップ・CDWは自分で自分のキャリアを考えるという個人作業がほとんどなのですけれど、これをグループとして実施するというところにもう一つの特徴があるのです。
グループといっても、みんなでわいわいとグループワークやグループディスカッションをするというわけではありません。そうした時間もなくはないのですが、2泊3日の長い時間を、ともに考えて過ごす、というグループなのです。
ともに考える、考える中で思いついたこと、気がついたことを、休憩時間や食事の時間に、自分の気持ちを大切にしながら話してみる。あるいは、ほかの人が話しているのを、聞かせてもらう。そうした相互作用の中で、セッションの時間内にはない緩やかな気付き、緩やかな思考の展開があるのです。

情報交換会では、場を設定することでさらにそれを促進しようとしています。
場を設定するといっても、そこで何かのアクティビティをするわけではありません。自由な話し合いの中でお互いに気づいたり、気づかせてしまったりということが起こるのです。

そして、2泊3日あると情報交換会も2回になります。
1日目と、2日目ではまったく雰囲気が違います。
1日目はどちらかというと、名刺交換を皮切りに、どんな仕事をしているのか、なぜ参加したのか、趣味は? といったような外的なことがほとんどです。
ここでそうしたことが一旦持ち出されるので、その後は、働いていて感じたこと、生きていて感じたこと、つまり働きがいや生きがい、働く目的や生きる目的といった話が安心してできるようになります。

そうした話をしたあとのですので2日目の会話はとても落ち着いたものになります。休憩時間の会話も、そこまでに考えたことを話し合ったりする場面も出てきます。
そして2日目の情報交換会は、そこでまの自己理解を踏まえた、深い話になることがほとんどです。

1日目、2日目と経過するなかでこうした変化が現れるのです。
時間を経過するからこそ現れる現象ともいえるでしょう。

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